レビュー:
『看板に甘えただけの、どうしようもない駄作。』
軽妙洒脱になる以前、ハードボイルドを嗜好していた頃のルパン三世のジャケットの色は緑。そのジャケットを再び身にまとい‥‥‥という売り文句だったと記憶する本作。
しかし、その期待は裏切られた。もの凄く、悪い方向に。
とにかく、こと細かく語るのも阿呆らしいほどの内容。ハッキリ言って意味不明。
ルパンの狙う宝、その宝の意味、そして敵役‥‥‥。
その全てが線としてアタマに入って来ない。
そもそも何でそのお宝を奪い合うのかさえ、ちゃんと解説されないお粗末さ。
これはもう、脚本が破綻‥‥‥というか、そもそも物語になっていないよ!
敵役は解説もなく空中を浮揚するわ、瞬間移動はするわ、スペースシャトルを完備した秘密基地(失笑)まで所持しているわ‥‥‥。
同じお約束満載なら、女子中高生向けライトノベルの恋愛小説の方が、まだカタルシスを感じられる。
作品世界から浮きまくりのCG背景。敵役側のマスコットとして登場するカラスまでCG。
如何にもロボットって風体なので、何か仕掛けがあるのかな、と思っていたら、別に何もなかったような?
確かに「ルパン三世」ってのは、間口が広く、様々なストーリーをでっちあげるには最高のキャラを擁し、又、それらを許容する世界観を持つ稀有な作品ではあると思うが、しかし、こんな製作者の自己満足にオチてしまうような話に、「ルパン三世」という皮を被せるのは、過去の作品群への冒涜である!とさえ思う。