夏目友人帳 1 【完全生産限定盤】

レビュー:
『妖怪の心を優しく伝えてくれる、そんなアニメです』
原作が少女漫画雑誌掲載との前情報があったので、視聴前は男性お断りな内容であることを想像したのですが、全くそんなことはありませんでした。

各話の大まかな構成は同じなんですよ。
母親の尻拭いのために、主人公が右往左往しながらも妖怪達の名前を返還していく……これ一辺倒です。
でも飽きない、面白い。
それはまず第一に、各話のストーリーが非常に丁寧に構成されているからではないでしょうか。

山場では緻密な演出で巧みに情緒を漂わせることで視聴者を惹きつけ、終局ではしっかりしめる。
起承転結が完璧なので安心して視聴できるんですよね。

また、話自体も純粋に面白い。
母親の能力と「友人帳」を受け継いだ主人公と交換条件で彼の用心棒となった妖、そして彼らを取り巻く妖怪達が織り成す、切なくも優しい物語。
人も妖怪も心は同じ……孤独であることの辛さ・寂しさ・切なさ、そして人の温もり・想いの暖かさ、そこからくる喜びを優しく伝えてくる。
回想シーンでは、妖怪が見えるという異能者であることの苦悩を視聴者にまざまざと、そして痛烈に見せ付ける。
これらを巧みに紡ぎ出すのは、卓越した演技力を誇る声優陣と、先述した丁寧な演出と手堅く構成された脚本でしょう。

同じ事の繰り返しでも、視聴者を惹きつけるには十分すぎる素材が揃っているんですよね。
いいアニメーターに恵まれたアニメだと思います。
勿論、原作の持ち味が生かされてこその、この質の高さでしょう(原作は未読なので近々、拝見させて頂きます)。

所謂萌えアニメが大量生産される中、このような一種の癒しを感じるアニメは新鮮で良い。
しかし逆に、このようなアニメが深夜放送枠に追いやられている現状が残念でならない。
もっと多くの人に観てもらいたい、そう思えるアニメです。

詳細:夏目友人帳 1 【完全生産限定盤】
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