レビュー:
『序盤を比べるならスカイガールズより好きです。』
自分的に出だしの印象は微妙でした。戦争を憎みながら、父親の存在をダシにあっさり同行・入隊する主人公の曖昧なポリシーが浮き彫りになる起こしで倦怠感が押し寄せた。しかし戦争嫌いも入隊の決意も一貫して父親が動機になっているというのは、転向させる仕掛けとして上手い。父親の遺志を知り、メンタルな足枷が外れた様を映すように、父が残したストライカーユニットで大空へ飛翔する宮藤芳佳。各話個々のキャラをフィーチャーしながら展開しているようですが、回を重ねることでキャラ立ちはよくなっています。4話まで見たところですが、半信半疑の1話から打って変わり2?4話は面白く見られました。魔法少女という設定で、治癒魔法や防御魔法のほか攻撃用の銃器や空中戦を行うストライカーユニットも魔力と連動したものなのでしょう。世界観や敵味方双方の戦力など曖昧で地球規模の戦争(の最前線)ということですが、局所的小競り合いのような長閑さも漂います。今のところ少女たちの迷いの払拭を戦闘シーンに絡め描いていて痛快・爽快に見せてくれている。なかなか小気味いい内容だと思います。一方、坂本少佐(CV:千葉紗子)の宝塚男方のようなデフォルメ感のある役作りが、私には話の冒頭からなんとなく本作が意図的に表出するテレのようにも見えるのですが、シリアスとコミカル、熱血と萌えのバランスが、ガチには描かないという意思表示と余裕にも思えます。萌えだエロだと躍起に責め立てる向きには洒落が通じていないのかと、そんな思いもなきにしもあらずです。