レビュー:
『ルパンは燃えているか?』
真紅のジャケットにシャツとズボン上下ともにTV第1シリーズと同じ黒、そしてネクタイは黄色、愛車はTV第1シリーズの初期で使用されていたメルセデス・ベンツSSKを転がすルパン。くぅぅ、かっちょええですなぁ。
ルパンの格好良さとは何でしょう? 針金のような足?、おサル顔?、下品なわらい声? 私のかっこいいルパン三世は、大ピンチで旗色の悪いところでも、次の動作への動きを廻らしている表情や動作が好き。「度胸」と「勝負」でゆるぎないところであり、悪漢の罠に落ちても一糸は報いる「いたちの最後っ屁」のようなおちょくりが、頼もしかったと思います。それはマモーのような得体の知れない強敵ならば、相手が尊大で傲慢で不遜なほど、なれどルパンされどもルパンなのです。
見所は山ほどあります。カメオで声の出演は有名なトキワ荘の先生方、あしたのジョーの原作者、主題歌はお客様は神様ですの国民的歌手。みなさん鬼籍に入ってしまいましたね。マウリッツ・エッシャーを意識した不思議な絵の世界も印象的ですね。
何より不二子ちゃん以外、女っ気のないルパン三世なのが、TVスペシャルではほぼ恒例となるうざったい女性ゲストやマドンナ役のようなものがないのがうれしい。
「大事なもの、盗まれちったからヨ。」さて、何を盗まれたというのでしょう?
それはあなたが確かめて。