レビュー:
『良くも悪くもエイティーズ』
ルパン三世クロニクル・シリーズの最後となる「バビロン」。1985年公開映画のサウンドトラックが中心です。近年エイティーズのコンピレーションアルバムが多く出ていますが、今回のルパンも音はそれに近いものがあります。つまり、比較的使いやすくなったシンセサイザーがふんだんに盛り込まれたもの。前回のルパン=2ndシリーズの後期がビッグバンドだったり、アナログなシンセサイザーだったりしたことと比べると隔世の感があり、この時代の音楽機器の進歩の速さを改めて確認しました。 簡単に言うと、無機質・硬質な「ルパン」です。ボーナストラックの「1979未収録編」と比較すると顕著です。が、それはエイティーズの特徴でもあるので、好き嫌いは分かれると思います。いずれにせよ、今回初めて収録された音源も多く、ファンとしては外せないでしょう。 最後に、河合奈保子さんはホントに歌が上手い。大野雄二先生自らが太鼓判を押されてますが、「マンハッタン・ジョーク」という難しい歌を見事にこなしてらっしゃいます。この曲のEPが初めてのチャート1位獲得なんて信じられない!最近BOXセットがでていたりしますが、今後もっと彼女の再評価が進むといいですね。