レビュー:
『心を盗んだまま』
夏に放映されたルパンの特番テレビで使われていた曲がどうしても気になり、
このCDに収録されているということで聴いてみたところ、個人的には近頃
めったにないことに、連続して何度も集中して聴いてしまいました。
ルパン関係のCDは数多くでているなとは思ってましたが、このCDをきいて
それも深く深く納得です。
今井美樹が歌うそのテーマの素晴らしさもさることながら、どこかで耳にした
ことのあるメロディー、楽曲の挟間に漂うオンリーワンの世界観、おそらく
峰不二子がモデルであろう楽曲の主役たちが醸すむせび泣くような情感、
どこをどうとっても出色の極みのような作品になっています。
今井美樹の「ルパン三世 愛のテーマ」は他の曲より際立っていますが、
それを際立たせているのはDOUBLEの歌う3曲とみました。彼女には、
何か尋常ではない才気を感じます。
作品全体として、隙がないわけではないですが、アンジャラ・アキに演らせて
彼女の真価を問いたいとか、Small Circle of Friends の演り口を見たいとか、
そういった妄想をいだいてしまいます。ともあれ、そういう想像を刺激するの
もきっとこの作品が傾聴に値する証なのでしょう。