レビュー:
スピード狂なタクシー運転手ダニエルと、ドジな刑事エミリアンのコンビが巻き起こす騒動を、カーチェイスを絡めて描くフランス産アクション・コメディ。今回は全欧州から指名手配されているヨーロッパ最強の凶悪犯をエミリアンが逃してしまい、彼を追ってマルセイユから太陽の国モナコへコンビが向かうという展開だ。ただ今回はその肝心の凶悪犯が相当にボケ倒すわ、思った以上にタクシーのアクションは少ないわと、シリーズ最高の時速312.8kmの世界が堪能できるなどの謳い文句の割には「あれ?」という感じ。というのも、今回の映画で力が注ぎこまれたのはあくまでも“笑い”の部分だから。それこそ日本のバラエティ番組のドラマより10%引きくらいの笑いのノリで最後まで突っ走っているのだ。だからそのつもりで最初から観ていないと辛くなってしまうだろう。とにかくシリーズものらしい、どの方向に行くべきか彷徨った感は見えまくり。そろそろいい加減にキレイに打ち止めにしないと、いけない気がしてならない。(横森文)