レビュー:
『綾瀬はるかさんの女優魂』
クァク・ジェヨン監督は、ヒロインの魅力を引き出すのが抜群に上手い人です。
本作でも、綾瀬はるかさんは本当に魅力的で、ほれぼれしました。
クァク監督の作品は、細かな矛盾点とか、粗雑な点を含むこともあるので、最初に観た時は「???」と思うこともあります。
ただ、この監督の作品はどれも脚本がいいので、2回目から話をわかっていて観ると、
もっと作品を深く味わえるし、何度も観たくなるのです。
脚本にパワーがあるから、細かな点は気にならなくなるのです。
よく、「泣ける、泣けない」で作品を評価する人がいますが、違うと思います。
また、「現実味が無い、リアリティが無い」とか評価する人もいますが、
そんなこと言ったら映画自体成り立ちません。
私は、話の中身だったり、役者の演技だったりの良し悪しが、いい映画とつまらない映画を
分けるのだと思っているので、この映画をとてもいい映画だと思いました。
あえて言うなら、特典ディスクの中で綾瀬さんや小出さんが言っていたように、
日本語と韓国語のニュアンスの違いをうまくすり合わせるのが苦労したようです。
結果、いかにも台詞っぽい日本語が使われている場面があったようにも思えます。
また、ジローの過去への旅は、時代が少し古く感じなくもないですが、それよりも、
ジローとその母の関係が、もう少しだけ詳しく描かれると、過去に行った意味も
深まるのですが、少し浅かったかなとは感じました。
特典ディスクでは
●メイキング映像「Haruka Ayase meets Cyborg SHE」
●裏guide of Cyborg SHE
が特に良かったです、綾瀬さんの「泣きの演技」についてのエピソードでは、
彼女の人がらや「女優魂」が感じられて、綾瀬さんのファンになりました。
裏ガイドを見ると、カットされたシーンや、この監督おなじみの遊び心がわかるので、
また本編を観たくなります。
この作品をより深く味わいたい方は、スペシャル・エディションをお勧めします。