レビュー:
『俳優陣の演技力に注目』
現在すでに第5シリーズまで放送されているが、やはりこの第1seasonを見ておかないと、
「相棒」というドラマの本当の良さはわからないと思う。
実は私は、テレビでは第3seasonから見始めているので、どうも「流れ」とか「相関図」
がつかめずに困った記憶がある。
しかし第1seasonでは、右京がなぜ窓際に追いやられているのか、薫と組むようになったいきさつなどが、わかっていく。
小野田がなぜ右京たちをかばい、ときには利用し、何とも言えない関係を保っているのは
なぜか……それが明かされる最終話は、とくに必見だ。
それにしてもこのドラマには、いわゆる「大根役者」が出てこない。
こういうミステリー系のドラマは多いが、おばさん刑事だったり
家政婦探偵だったりと、いまひとつ感情移入できない。
しかも、それらはおおむね俳優が下手である。
しかし「相棒」は、みんなうまい。それがこのドラマを長寿化させている
大きな要因のひとつでもあると思う。
また、右京も薫も基本的には組織の論理から外れた人間である。
いわば厄介者だ。その彼らが、まさに厄介者だからこそ、
警察組織の闇の部分にも切り込んでいける。
そこも大きな魅力である。